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こちらは櫻井翔さん、そして勿論嵐さんみんなが大好きな管理人による大変な自己満足blogです。 初めてお越し下さった方は閲覧前にリンク項目から「はじめに」のページをお読み下さい。
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【魔王 最終話】

不倫といえど、私は葛西とマリさんの関係が好きでした。というより、マリさんに一生懸命な葛西が好きでした。
直人の心の隙が11年前の事件なのなら、葛西の心の隙はマリさんですね。
一途すぎるけど、その一途さがカッコよかったです。本当に。
保釈された後、リングを買い、家に向かう葛西は、純真そのものでした。これからは心置きなくマリさんと一緒にいられる。良かったね、葛西!なんて心の底から喜んだんです。
しかし通りの中で無念に倒れる葛西と、本当に嬉しそうに料理を作って彼の帰りを待つマリさんの幸せそうな表情。
この見事なまでの対比が、悔しくて悔しくて仕方なかったです。

あと、めがね君。
何か腹立つキャラなので、最後まで名前では呼んであげません(笑)
彼は親友の復讐をしながら、その中に自分を虐めた直人達の苦しむ様を見て、自らの鬱憤も晴らしていたんでしょう。
親友として彼の死を本当に悲しんだことは事実。
けれど段々純粋に「それだけの気持ち」ではなくなっていたのは。「あいつも僕を虐めていたひとり」という台詞は、首を捻らずにはいられませんでしたね。
何の為に復讐しているのか。最後、彼は完全にただの「個人的怨恨」を原動力に動いていました。

直人の「生まれついて悪い人はいない。人はみんな元々いい人」
この言葉は本当にそうだなぁと思わざるを得ない台詞だと、今になって余計胸に効いてきました(ジンワリと)
典良も、葛西も、芹沢氏も、直人も、領も。最初から悪人なんて…魔王なんていなかったということです。
血も涙もない男だという印象を貫くかと思っていた芹沢氏も、やはり結局は、子供の為に一生懸命な優しい父親だったんですよね。
みんな生まれてから生きていく中で沢山のことを経験していって、その中でゆずれないものができてしまった。
それは大切な人だったり、守るべきものだったり、矜持だったり、後悔だったり、怨恨だったり。
それらを軽んじることをできなくなっていく中で、少しずつ人は正しい道から外れていくんだと、嫌が応にも思い知らされるようでした。

何の為に復讐をしているのか。
大切な人を失う悲しさを誰よりも分かっている領が同じ悲しみを与える「殺人」という方法で復讐を決めたことは、相当な決断力を要したはずです。
それだけに「迷い」の要素を断ち切る為に領は多くのものを捨ててきました。
なのにしおりちゃんや新谷さんの娘さん、弁護士事務所の人や成瀬さんのお姉さんといった人達と関わる中で少しずつ、迷いが生じてしまったのは幸か不幸か。。。

自分以外の人間がもれなく全員極悪非道であったとすれば、どんなにこの復讐も敢行しやすいものだったのか、と思います。
そしてこれは結局、直人にも言えることなんですよね。
直人が事件当時と全く変わらない「最低なやつ」だったとすれば、また話は違ったんだと思います。
やっぱり直人は真っ直ぐな人間だったんです。
それは今まで何度となく叫んでいた「関係ない人を巻き込むな」とか「狙うなら俺を狙え」という台詞からも分かる気がします。
領は遠くから写真を撮るだけだったから、気付かなかったと思うんです。直人が自分以外の人が傷付くことを嫌う人間に成長できていることを。
それに気付かずに直人に近寄り、彼や、彼のまわりにいる人達と関わる中で、自分の中の直人のイメージがブレてきてしまった。
領にとって、直人の誠実な成長は、間違いなく何よりの誤算だったと思います。

領の本来の目的は「自分を殺させること」であったことは最終回である今回で判明しました。
その理由が「今度こそ真剣に事件に向き合うため」という直人の直感による説は、きっと広義に考えると間違いではないと思います。
でもそれはあくまで当初の予定に過ぎなかったのかもしれません。
17歳から続けてきた復讐計画が領の心をどんどんと蝕んでいったことは間違いありません。けれど続けてこられたのは、ひとえに愛しい弟と母を殺した、憎い仇に復讐する為。
なのに直人は自分の期待とは裏腹に、「止めてあげたい」という誠実な優しさでもって自分に向き合ってきた。
荒んでいく領の心を、そんな優しさが多少なりとも癒したことは間違いないと思います。というか…少しずつ直人のことを嫌いではなくなっていったんだと思うんです。
それを自覚してしまうと、もう何もできなくなった。目的を見失ってしまった。
でも今更止めることなどできない状況は、既に形成されている。しかも、典良の死など、もう望まないのに自動的に復讐が敢行されてしまっている。
目的を失って、心はもう「マナカトモオ」に戻りはじめてしまっている領にとって、この状況は相当の心労になっていた。
そうして本来の「真剣に事件に向き合わせる」という目的にも、変化が生まれた。
「僕が僕に戻る為の手段」
これこそが、直人に自分を殺させることの意義になってしまったんだと思います。

暴発によって領の腕の中で崩れ落ちる直人。
「最初からこうすれば良かった」結果では決して無いはずです。
最後まで直人と領の間には「理想の結末」における考えが食い違っていました。
自分が死にさえすれば相手がこれから幸せな人生を歩んでいける。そのような解釈はきっとお互いに持っていたはずなのですが、それが逆に食い違う要因となりました。
「生きてください。精一杯自分のために」
これは一応直人の台詞ですが、きっと領も望んでいたことだったと思います。
「死ぬな!」という領の必死な台詞は、きっと根底にはこの台詞があったんだと思います。
自分のことも、相手のことも、もう許してあげて欲しい。
そんな願いをお互いに持ちながら、結局それぞれ、相手が頷く姿を見ることはできませんでした。

ただ直人の手にハーモニカが置かれ、寄り添うように二人が事切れている。
この光景を見るだけで、領の復讐も、直人の苦悩も、やっと終わりを迎えることができたこと。それだけは分かる気がしました。

ラスト。。。

空を舞う二匹の蝶が、たとえ象徴だったとしても。。。本当に二人だったらいいのに、と思ってしまいました。


2008 09 12

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高知県生まれ。在住。学年的には末ズ-1歳。
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